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同志少女よ、敵を撃て -逢坂冬馬

ビジネス書ばかりを読んでいたのですが、より知識や教養をつけるために最近はビジネス以外の小説や自叙伝と言ったものも読むことにしました。

ということで今回読んだ本は2022年の本屋大賞にも選ばれている「同志少女よ敵を撃て」です。

内容は第二次世界大戦においてのドイツ軍とロシア軍の戦いにおいて暗躍していた女性スナイパーについて。

2022年の現在ではロシアがウクライナに攻撃を仕掛けているという背景もありますが、戦争というものが人にどのような影響を与えるのか、また戦争によって狂わされる人生などが描かれていました。

目次

本のあらすじ

簡単に本のあらすじをまとめると、

都会から離れた村で過ごしていた主人公のセラフィアはある日母と一緒に鹿の狩猟に出かけます。狩猟を終え戻ってくる最中にドイツ軍の残党たちが食糧などを求めセラフィアの住む村を襲います。

村人はドイツ軍に敵対したとして無実の罪を着せられ無惨にも殺害されていき、女性たちはドイツ軍たちによって陵辱される。今まで平和だった村が一瞬にして地獄に変わります。母も狩猟銃を使い敵を撃とうとしますが、敵のスナイパーにより射殺されます。しかもセラフィアの真横で。

セラフィアも敵に捕まり敵兵に犯されそうになっているところで幸いにもロシア軍の助けが入り間一髪を救われたセラフィア。そこで出会うのが元々戦場の第一線でスナイパーとして活躍していたイリーナ。

イリーナはセラフィを見て助けを出すわけでもなくただ「生きるか・死ぬか」をここで選べとだけ伝えます。さらに母の死体を足で粗末に扱うイリーナにセラフィアは怒りを覚えます。

全てが突然にして変わった動揺を隠せないセラフィアはそこで、あることを決めます。

それは「母の体を雑に扱ったイリーナと、母を殺したスナイパーを殺す」ということ。その怒りだけをエネルギーに彼女はその後イリーナが管理するスナイパー育成機関に入りスナイパーのイロハを学びます。

壮絶な訓練を終え、実際に戦地に行くようになったセラフィアはそこで人の死をより身近に感じていきます。親しい友人も戦争で亡くし、純粋でやさしかった彼女はスナイパーとして段々と人を殺すことにも慣れてきて優秀なスナイパーになっていきます。

最初に掲げたイリーナと母を殺したスナイパーを殺すことを胸に戦争を戦い抜くセラフィアの心の葛藤と戦争が生み出す惨さ、壮絶さを実際に起きた事実も踏まえ生々しく描かれている作品となります。

続く、、本はこちらから購入できます

感じたこと

僕たちの世代は幸せなことに戦争を知らずに生きてきた世代です。だからこそ戦争が現在隣国で起きていてもどこか他人事に感じている部分があります。

戦争において女性スナイパーを起用したのはロシアだけとのことですが、その特殊な状態故に周りからも煙たがられながらも戦争の第一線にいき、敵を冷酷に処分する。元々少女だったセラフィアが段々と心を失っていく様子や、戦争で亡くなる命の儚さに言葉にできない感情になりました。

一瞬で体が跡形もなく消えてしまったり、肉の塊になるといった描写がありましたがそれを実際に目にすると今の平和ボケした私たちは頭がおかしくなると思います。実際に戦争という状況においては相手を殺すということが正当化されていますが、終戦後に精神に異常をきたすという問題があらゆる場所で起きているのはやはり異常なことだと思います。

まとめ

戦争が生む異質な精神状態、そして精神的ストレスなどが描かれています。今だからこそ読むべき本の一つです。

命の尊さと、戦争がいかに防がなければいけないものかをこの本を通じて感じてもらえると幸いです。

ウクライナ、ロシアともに平和が戻ってくるのを願っております。もちろん戦いをやめればいいといった単純なものではないとは思いますが命のやり取りはそれ以上に守られるべきものだと思います。

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