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異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 エリンメイヤー

これから海外移住も考えている今の自分にとってとても価値のある本でした。内容は一度ではん完全に理解できなかった箇所も多くあるのでまたタイミングがあれば読み返したいと思いました。

ただこれから訪れるグローバル社会において理解しておくべき文化理解について触れているのでとても良い本です。自分の中で読んでいて印象に残った箇所をまとめておきます。

目次

国ごとの文化の違いは確実に存在している

この本を通して国ごとの文化の違いで生まれた問題や事例が何度も紹介されています。人間それぞれ性格は違いますが、国としての文化や価値観から生まれる違いがありそれを理解することが他の国の人と働く上で大切になってきます。

いくつか例を出しておくと

・中国ではミーティングでは立場を重要視し意見を求められるまでは、口を閉じ体を動かさないことで良い聞き手あることを示します。(海外の人は口を開き過ぎているため悪い聞き手と思われる)

・フランスではポジティブ・フィードバックはほのめかして伝えられることが多く、ネガティブ・フィードバックはそれに比べ直接的に伝えられる。アメリカではこれが逆になる。

こういった違いがあることを知らずに外国の人と仕事をする際には、自分の仕事の評価が思っていたよりも悪かったり、気づかずに相手からの評価を落としている。という事態を防ぐことにつながる。

文化の違いによって生まれる8つの指標(カルチャーマップ)

これらは国ごとの特徴や文化によって形成される違いであるが、それらを8つの指標でまとめたものが以下になります

カルチャーマップ

  1. コミュニケーション:ローコンテクストVS ハイコンテクスト
  2. 評価:直接的VS間接的なネガティブフィードバック
  3. 説得:原理優先VS応用優先
  4. リード:平等主義VS階層主義
  5. 決断:合意志向VSトップダウン式
  6. 信頼:タスクベースVS関係ベース
  7. 見解の相違:対立型VS対立回避型
  8. スケジューリング:直線的な時間VS柔軟な時間

これらの要素を国ごとにまとめたものをカルチャーマップという。

こちらは日本とそれ以外の3国を比べたカルチャーマップとなる。

日本は自分の国なのでイメージがつきやすいと思うが、隣国の中国とも大枠は似ているが一部の指標で違っているのに注目していただきたいです。

決断とスケジューリングにおいてはほぼ真逆になっているためこの部分を意識しないと予期せぬすれ違いが生まれる可能性があります。

逆に言えばこれらの違いについて認識しておけば問題が起きた時にも対策の目処が経ちやすいということになります。

またこのカルチャーマップにおいて意識しなければならないものはこれらの指標はあくまで相対的なものであるということ。自分の国の指標からみて右か、左かで相手の国に対しての印象は変わるということをわすれてはいけません。

例えばですが、ドイツとフランにおいてはどちらも指標的には原理主義にあたりますがドイツからみたフランスは応用型にみえる(感じることが多い)ということです。

8つの指標の中でも自分が特に意識すべきだと感じた指標が3つあります。それらは

・コミュニケーション

・決断

・説得

となります。これらにおいて日本は独特なので常に意識すべき点かとおもいます。

ローコンテクストとハイコンテクストは特に日本はトップクラスなので常に他の国の人と話す時はわかっているだろうと思うのではなく、定義や、細かく説明することが重要になります。

ちなみに本書によるとローコンテクストの国などはコミュニケーションを好み、理由としては子供の時からコンテクスト(文脈・背景)の共通点が低い環境を想定することに慣れ親しんでいるからだそうだ。会話においてのお互いの共通点が少ないため暗黙の了解が少ないので細かい説明や会話が必要になるそうだ。

それに比べると日本は島国で国民のほとんどが日本人のために同じ生活文化や文脈を共有していることからもハイコンテクスト文化になっている。

ハイコンテクスト文化だからこそ日本は同音異義語がたくさん存在していても問題がないのである。逆に英語にはわずかしかない

ちなみにアングロサクソン文化の国ではイギリスが最もハイコンテクストとなる。

評価について

ネガティブフィードバックについて国ごとに伝え方に差があることが先ほど書きましたが具体的には以下のような違いがあるそうです。

はっきり発言する文化では言語学でいう「アップグレード」の機能を持つ言葉、ネガティブな言葉の前や後ろにつけて意味を強める言葉を使う傾向にある

例)これは間違いなく不適切だ、これはまったくもってプロフェッショナルとは言えない etc

反対に遠回しに発言する文化(日本など)では「ダウングレード」の機能を持つ言葉・批判を和らげる言葉を使う傾向にある

例)kind of , sort of maybe etc

このポイントについては常に意識をしておくと良さそうだ。

また感情表現については対立回避と対立型の他にも感情表現が控えめかどうかも含めた4軸で国を分析すると良さそうでした。

説得について(原理優先か応用優先か)

また説得については自分の今まで感じていた蟠りがなくなりました。思考法は二つにわけられ原理優先か、応用優先かでアプローチが変わってくるとこの本には書いてあります。

どちらもロジカルシンキングにおいて重要な考え方ですがすこし考え方が違ってきます。

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原理優先(演繹的思考):結論や事実を一般的原理や概念から導き出す

応用優先(帰納的思考):現実世界の個別の事実鵜を積み重ねることで普遍的な結論へと至る思考法

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数学の授業を元に例を出すと

原理優先:まず一般原理を証明し、理解してから例題を解き始める

応用優先:まずは公式を使って問題をどんどんと解いていくうちに公式の有用性を確認し、それから公式の概念を理解していく

言語学習を例にすると

原理優先:文法などについて理解してから単語や文章を作っていく

応用優先:とにかく学んでいる言語だけを聞き続けその中で理解できた単語などを元に会話をしていく

どちらも有効なアプローチだが言語学習においては原理優先をすると話すよりも書く力が得意になる可能性がある。日本も間違いなくこのアプローチなので的を得ている。

中国人はマクロからミクロへと考え、西洋人はミクロからマクロへと考える。

この影響か住所を書く時も中国人は省、区、地名、番地とか気、西洋人は反対に書く。

頭か感情で信頼するか

自分の中で信頼する人を書き出すとタイプの違いに気がつきます。

明確な違いとしては

認知的信頼:Cognitive Trust

感情的信頼:Affective Trust

となります。認知的信頼は相手の業績や、技術や確実性に対する確信に基づいており、頭からくる信頼になります。ビジネス上ではこちらが優先されることが多いです。

そして感情的信頼はその逆で心からくる信頼となる。友人や家族などがこれにあたります。そのため判断をするためにはタスクベースか関係ベースかで判断すると良いと本書には書かれている。

これからのために知るべき文化理解力

グローバル社会において今後は日本も英語を学び、海外の人と働く必要が出てきます。その中で今後起きる問題が文化ごとの違いによって発生するコミュニケーションや感覚のすれ違いです。

この本はすでにグローバル社会に順応している他の国で実際に起きている問題などをまとめ、すれ違いをどうやって受け入れるか、より良い方法にむけるかについて書かれています。

どちらがいいか、悪いかといった問題ではなくそれぞれに良い点があり、バランスをとるために知っておくべき情報が盛り沢山でした。

もちろん自分自身はまだ海外の人とそこまで働いた経験がないので全てに共感できた訳ではありませんがい、今後海外も視野に入れている身としてとても勉強になりました。

カルチャーマップを国ごとに描くことができればすれ違いを最小限にできる気がしました。

今の日本ではまだ必要性がないかもしれませんが人口が減っており経済力を無くしている日本は将来的には確実にグローバル社会への適応が求められます。その日が来てから焦って行動するよりも先に勉強するにはどうでしょうか?

また時間が経ってから読み直したいと思える良書でした。

こちらの本はこちらから

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